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わずかに腰を動かすと、中がきゅっと締まる。
「ルシア…もう我慢できない」
激しく腰を振るとベットが悲鳴を上げるように軋んだ。
「ミッチェル、ミッ、チェル…ぅんっ」
膝の裏に手をあてがいさらに大きく脚を開かせると、つながりが深まって今にも達しそうになる。
「ルシア、くっ―」
「私、またっ…んん、ミッチェルっ!」
肩に爪を立てられても痛みは感じなかった。高みにのぼりつめたルシアの体が、さらに深く彼を引き込もうと収縮する。
もう、だめだ…。
頭をのけぞらせてルシアの奥深くに熱い精を放ち、ぐったりと上に倒れこんだ。
耳元でルシアのやわらかい息遣いが聞こえる。ぼうっとした頭でどかなければと思った。彼女を押しつぶしてしまっている。
「そのままでいて」
身を起こそうとすると、首に回された腕に弱々しいながらも力がこもった。
「重いだろう?」
体を回転させて抱きしめたまま横に寝転がった。
「大丈夫だったのに…」
「おまえの大丈夫はあてにならない」
額にキスをして、湿って張りついた髪を首から払ってやる。
「すまない。もっと優しくしてやりたかったのに」
「十分、優しかった」
そっと唇を重ねて激しい行為を態度で詫びた。
「んっ…ミッチェル」
もぞもぞと体を押しつけてくるので、小さく笑って少しだけ身を引いた。
「だめだよ。おまえにはまだ無理だ」
濡れた瞳が懇願していた。
「いつならいいの? 私、あなたに嫌われたくない」
彼は眉をひそめた。
「誰がそんなことを言った? おまえを嫌ってなどいないし、抱けないからといって嫌いになったりしない」
「だってあなたは怒って―」
「確かに怒っている。おまえは自ら危険に飛び込んでいったんだからな」
ルシアの目尻から煌めく雫が転がり落ちた。
「ごめんなさい。でも私、あなたから逃げたかったわけじゃないの。あなたが見たものを私も見たかっただけ―信じてくれる?」
涙の通った跡をゆっくりと指先で拭った。
「ああ」
「本当に?」
「おまえの嘘はわかりやすい。ああ、おまえの言葉を信じる。が、許したわけじゃない」
彼女は神妙に頷いた。
「どうしたら許してくれる? 私を鞭打つ?」
こめかみから手を滑らせ、柔らかな頬を指先でなぞった。鞭なぞ振るえばこの柔肌はすぐに裂けてしまうだろう。
「いや。だが罰を受けずにすむとは考えるなよ」
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