第2章

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 わずかに腰を動かすと、中がきゅっと締まる。 「ルシア…もう我慢できない」  激しく腰を振るとベットが悲鳴を上げるように軋んだ。  「ミッチェル、ミッ、チェル…ぅんっ」  膝の裏に手をあてがいさらに大きく脚を開かせると、つながりが深まって今にも達しそうになる。  「ルシア、くっ―」  「私、またっ…んん、ミッチェルっ!」  肩に爪を立てられても痛みは感じなかった。高みにのぼりつめたルシアの体が、さらに深く彼を引き込もうと収縮する。  もう、だめだ…。  頭をのけぞらせてルシアの奥深くに熱い精を放ち、ぐったりと上に倒れこんだ。  耳元でルシアのやわらかい息遣いが聞こえる。ぼうっとした頭でどかなければと思った。彼女を押しつぶしてしまっている。  「そのままでいて」  身を起こそうとすると、首に回された腕に弱々しいながらも力がこもった。  「重いだろう?」 体を回転させて抱きしめたまま横に寝転がった。  「大丈夫だったのに…」  「おまえの大丈夫はあてにならない」  額にキスをして、湿って張りついた髪を首から払ってやる。  「すまない。もっと優しくしてやりたかったのに」  「十分、優しかった」  そっと唇を重ねて激しい行為を態度で詫びた。  「んっ…ミッチェル」  もぞもぞと体を押しつけてくるので、小さく笑って少しだけ身を引いた。  「だめだよ。おまえにはまだ無理だ」  濡れた瞳が懇願していた。  「いつならいいの? 私、あなたに嫌われたくない」  彼は眉をひそめた。 「誰がそんなことを言った? おまえを嫌ってなどいないし、抱けないからといって嫌いになったりしない」  「だってあなたは怒って―」  「確かに怒っている。おまえは自ら危険に飛び込んでいったんだからな」  ルシアの目尻から煌めく雫が転がり落ちた。  「ごめんなさい。でも私、あなたから逃げたかったわけじゃないの。あなたが見たものを私も見たかっただけ―信じてくれる?」  涙の通った跡をゆっくりと指先で拭った。  「ああ」  「本当に?」  「おまえの嘘はわかりやすい。ああ、おまえの言葉を信じる。が、許したわけじゃない」  彼女は神妙に頷いた。 「どうしたら許してくれる? 私を鞭打つ?」  こめかみから手を滑らせ、柔らかな頬を指先でなぞった。鞭なぞ振るえばこの柔肌はすぐに裂けてしまうだろう。  「いや。だが罰を受けずにすむとは考えるなよ」
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