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俺は呆然と立ち尽くした。
確かに俺は盛んな高校2年生だ。
彼女がいるのだからキスしたいとかヤリたいとか当然思っていたのだ。
だが…できなかった。
未黄ちゃんを大切にしたかったから…だ。
いや、それだけじゃない。
ただ勇気がなかっただけかも。
未黄ちゃんは俺を求めていたのに俺は気付かずヘラヘラしていた。
それに俺はいつもマイペースでぼーっとしていて気が利かないし。
振られて当然かもしれない。
あぁ…
あぁ…
あぁ…
もう嫌だ。
未黄ちゃんのこと大好きだったのにな。
学校付近の公園でぼーっとしていた。独りでブランコに乗ったりして。(笑)
半年の短い間でも幸せな思い出ばかりだった。
一緒に夏祭りに行ったり一緒に買い物したり映画見たり
テスト期間は学年5位の未黄ちゃんに教えてもらっていた。
《蒼くんはいつも穏やかで優しいから一緒にいるとおちつくんだ。》
未黄ちゃんはよくそう言ってくれた。
ありきたりではあるけど大切な思い出。思い出すと視界が滲んできた。
やべぇ、コンタクト落ちる!
《あ、そうだ》
未黄ちゃんからもらった誕プレを開けてみた。
すると…花の模様が入ったリングが出てきた。
手紙も入っている。
《蒼くん、誕生日おめでとう。2月の誕生花はフリージアだから、フリージア模様のリングにしたよ。かわいい蒼くんにぴったりだと思うんだ。気に入ってくれるといいな! 今までありがとう。》
「未黄ちゃん…」
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