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「隠している間に大人しくなれば良かったのに……わざわざボクを動かすなんて、なかなかだよねw」
表情は笑っているが、目が笑っていない。その場の全員が、”僕”の……いや、”Rush”の顔を見て固まる。
「何度も忠告したよね。何度も警告したよね。それを全て蹴ったのはキミなんだよ」
Rushは、笑みを崩さない。
「キミの彼氏になれ? 冗談じゃない。自分を高めず、物を使うだけで強くなろうとするバカは、ボクに必要ない」
Rushは、視線を逸らさない。
「街の治安を壊し、守る者達の仕事を増やし、学園のみんなを傷つける……そんなヤツ、どこにも必要ないよね」
Rushは……静かな怒りを湛えた笑みで、呼吸するように言った。
「キミには消えてもらうよ。この学園から。この街から。キミが行くべきはただ一つ。決して出てこられない、その場所だけ」
機械のように言葉を発していく。
「殺さない。死なせない。死んで償わせなんてしない。そんな甘いこと、ボクはさせてあげないから」
クスクスと笑う声。その場にいる者達は、自分が息をしているのかすらわからなかった。
「死ぬより恐ろしい地獄を見せてあげる。このさきずっと……永遠に終わらない、地獄をね」
黄色い悪魔が、ニヤリと笑った。
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