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見つけたカードを持って職員室に戻ってきた。相変わらず、中から怒声が聞こえてくるなぁ……
「失礼します……」
「お、戻って来たか~」
中に入った僕に声を掛けてきたのは、さっき僕に探してくれと頼んできた先生。
「で? あったか?」
「これですよね?」
僕は手に持ったカードを先生に渡した。先生はカードを受け取ると頷く。
「確かにアイツのカードだ。届けてくるからここで待ってろ」
「はい」
先生はカードを怒っている先生の元へ届けに行った。
「おい。お前の探しているのはこれだろ?」
「! どこにあったんだ!?」
「この棟の目の前の草むらだってよ。あっちに居る生徒が見つけてくれたんだぞ? お前、隅々まで探したって言ってたよな?」
カードを渡した先生が怒っていた先生にそう言うと、怒っていた先生は唸りだして……なぜか僕に逆切れしてきた。
「おい! 本当にそこにあったのか!? お前が盗んだんじゃないのか!?」
「…………」
いやいや……もし仮にそうなら何で返す必要があるのさ? 必要ないじゃん。
僕は逆切れしてきた先生に憐れむような視線を返した。まだ何か言おうとした様だが、それはあの先生に止められていた。
「いい加減にしろ、直切(ナオギリ)。見つけて届けてくれた生徒に対してその態度はおかしいんじゃねぇか?」
「チッ……」
あの先生に言われ、ガンを飛ばしてきた先生――直切先生は舌打ちをして、職員室を出て行った。
ってか、直切って……w 直ぐ切れるんだね……w
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