始まりはいつも突然なのさ☆

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「あの……誰ですか?」 「私を知らないんですか? ……あぁ、それでは貴方が転校生の夜霧 翔華君ですね?」 「……はい」 何故か不思議そうな顔をして、その後に納得したような顔をする目の前の人。 ……ん? どーして僕の名前を知ってるんだろ。それに誰? 「何故、名を知っているのか気になりますか?」 考えていたことをそのまま当てられて驚く僕。 「な、何で……」 「顔に書いてありますよ」 「……」ペタペタ 思わず自分の顔を触る僕を見て、笑いを堪える目の前の人。 いや、実際に書いてないことぐらい知ってるけどね? ついやっちゃうんだよ…… 「クスッ……申し遅れましたね。私は虹刻学園生徒会・副会長の氷雪 啓馬(ヒョウセツ ケイマ)と言います」 「あぁ、副会長さんだからか……」 目の前の人――副会長さんの紹介を聞きながら納得した僕。 副会長さんなら、転校生である僕の事を知っていてもおかしくないよね? それにしても…… 「その笑顔、やめてもらえません?」 「……何故です?」 副会長さんが怪訝そうな表情で僕を見てくる。それを正面から受けとめて話す僕。 「何か、無理して笑っている気がして……笑えないなら、それでいいんじゃないですか?」 「……」 思った事を言った後に副会長さんが静かな事に気付いてそっちを見ると、こっちを見て固まる副会長さんの姿が。 流石にでしゃばっちゃったかな? 反省…… 「時には作り笑顔も必要ですけど……って、僕が口出しする事じゃないですね」 そう言いながら副会長さんを見ると、何やら呆然としている様子……しかも、なんとなく顔が赤い……?
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