第1章

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最初の頃は一人で我が子を育てて生きていく!なんて、意気込んでたけど、強がりだったんだなぁって思う。 ヨシに頼ってばかりだし、 ヨシの腕の温もりを居心地いいと思ってしまう。 ヨシの唇が耳たぶに触れて……。 その感触を感じると胸はトクントクン…と鼓動を打ち始める。 もう、避ける事はしなかった。 本当にヨシの気持ちを受け入れたいと思ったから。 唇は首筋に移動して、ヨシは私の頬を両手で包み込んで、 ヨシの唇が私の唇に……触れた。 そして、すぐに離れた。 「ここまでだな……」 ヨシが脱力しながら、私をもう一度胸に包み込む。 ヨシの温かい胸が私の右頬に触れる。 早く打ちつけるヨシの鼓動。 「こうやってずっと触れたかった。 ミユキにまた、拒絶されたらどうしようって思ったけど。 ミユキも少しずつ頑固な性質が削がれてきたな。 母親になるからかな?」 「頑固頑固って……。私だって、変わるんだよ。昔みたいになんでも自分でどうにかするって我はなくなったの」 「ハハッ。頑固じゃないミユキもミユキらしくなくて調子抜けだけど。 でも、今となっちゃ、オレには有り難い。 こうやって抱きしめられるんだから」 ヨシはまた横からギューっと抱きしめてきた。 「もう離して。 お腹が張る」 私が頬を膨らませてヨシを睨むとヨシはパッと私から離れた。 「ごめん」 調子に乗りすぎたと反省し、私の機嫌を損なわせたくない様子のヨシ。 「じゃあさ……。お言葉に甘えて、引っ越しの準備しちゃっていい?」 「うん……。私、たいしてお手伝い出来ないと思うけど」 「ミユキはいつ赤ちゃん産まれるか分からないし、何もしなくていいから」 ヨシの視線が私のお腹へと注がれた。 「触っていい?」 「どうぞ」 ヨシの手が伸びてきて 私のお腹にヨシの手の平の体温を感じる。 「おっ、元気よく動いてるな」 「そうなの。早くここから出たいみたい」 つい、綻ぶ私の顔。 「無事、元気な子が生まれてくればいいな。オレ、付き添うから。 ミユキが心細くないように」 「ヨシはお店の方優先させてよ。千葉から両親来るし、私は大丈夫」
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