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「ミユキがここまでオレに心許すなんて……調子抜けするどころか、心配になる」
ヨシが私の頭を優しく撫でてくれている。
私は目を閉じてお腹を抱えながら、ヨシの撫でてくれる手の温もりを感じていた。
「心配に……なるって……?」
ヨシの言ってる意味が理解出来ずに、瞼を閉じたまま、呟くように訊いた。
ヨシの手が心地よくて、
すぐにでも意識を手放しそうだ。
「あんなに強情だったミユキがこんなにオレに身を寄せるんだから
やっぱりリューマの事で傷ついて弱ってるんだろ。
さっきオレ余計な事言っちゃった気がするし」
「…………」
ヨシは少し自己嫌悪に陥った声で言った。
「リューマの事はもういいの。忘れたいからもうリューマの話はしない……で」
「ごめん。もう言わない」
ヨシはそれ以上何も言わず口をつぐんだ。
「ミユキ……。 オレがすぐに代わりになろうなんて思わないけど……
オレは途中で投げ出すような……軽い男じゃないから……」
「…………」
ヨシの最後の言葉が聞き取れずに
私は眠りに落ちた。
今世はリューマと、一生を添い遂げたかったのに……
赤い糸で繋がっていたのは……
実は旦那さまの生まれ変わりのヨシだったの?
深い縁で結ばれてる赤い糸は
リューマ……?
ヨシ……?
前世の記憶。
生まれてきた跡継ぎは……
旦那さまの子供。
旦那さまの可愛がりようったら異常なまでに、目に入れても痛くないかのように
私より抱っこばかりしていた、子煩悩の旦那さま。
我が子は可愛い。
豪商の娘に生まれて、私を心底愛してくれる旦那さま。
幸せじゃないはずがない。
なのに……。
いつも満たされる事のない心。
異母兄のリュウ……。
旦那さまの子を産んで幸せになってと、
姿を消してしまったリュウ……。
もう一生会えないなんて
私はあなたを思い出しては、
声を噛み殺して枕を濡らすんだよ……。
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