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むせかえるような匂い。
身体中が熱くなっていく。
喉が異常に渇き、ヒリヒリと痛む。
ベッドの上で苦し気に倒れている女の意識は朦朧としていた。
潤んだとろんとした蒼い瞳はまるでこちらを誘惑しているかのようだった。
「……はぁ……はぁ……最悪だな」
苦しい。
目の前の女が欲しくて堪らなくなる。
頭がぼぅっとし、思考が上手くまとまらない。
せり上がってくる飢えに、知らず喉が鳴る。
こんなに欲しいのにーー
それでも、今までは理性をどうにか保っていた自分。
それなのに。
考える間もなく、女の華奢な肩を敷布に縫い付けた。
小柄な身体をやすやすと組み敷き、そのまま覆い被る。
身体中が熱い。
額から滴り落ちる汗。
女は抵抗するように俺から僅かに視線を逸らすようにした。
「……ぃ……やっ」
女から抵抗するように出された声は甘い。
あまりにも弱々しい抵抗に可愛いとさえ思ってしまう。
ぞわぞわと心が震え立つ。
このままーー
俺のものにしたい。
いけないと分かっていても欲望が止まらなくなる。
苦し気に呼吸している女の小さく開いていた唇を自分の唇で塞ぐ。
怯えて縮こまる小さな舌を捕らえ、吸い上げた。
重ねた唇の隙間から、くぐもった可愛らしい呻きが聞こえる。
苦しそうに俺の胸元を叩く女。
女の身体からすっかり力が抜け、ようやく唇を離した時には互いに息が上がっていた。
潤んだ蒼い瞳でこちらを見据える女の表情は怒っているようだった。
火照った頬、汗ばんだ身体、誘惑するような瞳、甘い呻きを上げる声。
怒っていても身体は熱くて苦しいのだろう。
俺が優しく女の頬に触れると、ピクリと反応する身体。
すがりつくように俺の手に頬を、すり、と寄せる女に鼓動がドクドクと激しくなった。
抵抗すら出来なくなり、理性を無くしているかのようだった。
これ以上はいけない。
そう分かっているのにーーー
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