第1章

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夢から生還した私はパチリと瞳を開き、 「久々に見たなぁ...あの夢」 私が10歳の頃に見た夢。 夢なのか、現実にあったのか未だに分からない。 現実に近いから、そう思ってしまっただけかもしれないが。 今年で17歳になる私、神崎瑠菜はベッドが降り、高校に行く準備をする。 東京で育った私は、平凡な人生を送っているつもりだ。 準備を終え、私は玄関に向かい、ドアを開ける。 ドアを開けると、清々しいほどの天気の良い空。 変わりない生活、学校、友達。 「見ろよ、神崎瑠菜だぜ」 「今日も綺麗だな」 学校の近くになると、ヒソヒソと話す男子たちが目につく。 「おっはよー!瑠菜ちゃん」 そう声を掛けてくれたのは私の一番の親友椎名さくらだ。 さくらは小学生からの友達で一番の理解者。 ショートヘアーの栗色の髪に、ふっくらとした可愛らしい頬に、小さめな身長。 「おはよう、さくら。私、今日こそスイーツ食べ放題に行くからね!」 「うん!行こうね」 意気込む私にさくらは嬉しそうに笑った。 教室に向かう前に、私は図書室へと向かう。 借りていた歴史の本を返すためだ。 私は歴史に興味があるわけではないが、剣や刀には興味がある。 小さい頃から剣道を習っていて、大会に出れば必ず優勝していた。 けれど、高校に入った瞬間に私は剣道を辞めた。 図書室へと着くと、誰もいないはずなのに突然、声が近くで聞こえた気がした。 ーーこちらへ、来なさい。 我が聖女よーー 瞬間、キンと耳鳴りがする。 そして、眩い光が私を覆う! 眩い光に目を奪われ、私は光に溺れたーー
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