二話『川の上の修羅場』

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高架下にある大きな川。暖かな今の季節には子供たちが水遊びをよくここでする。 だが今は午前八時頃。水遊びする子供たちも学校に行っている頃だ。いるのは川辺を走る休暇の大人たちが数人だけだ。 『ユミ、どこへ行く!?』 『離して!』 男の声と女の声が川から聞こえた。 男はどうやら女を引き止めているらしい。逃げるように背を向ける女に男は必死な様子だ。 『ユミ、もう一度話し合おう。僕は君のことが……』 『止めてっ、それ以上何も言わないで! 私、もう何も信じられない!』 『待ってくれ、ユミ!』 ビシャビシャと水音を立てて必死に逃げる女とそれを追いかける必死な男。 どうにも話が見えない。一体どういう状況で彼らは喧嘩しているのだろうか。しばらく彼らの様子を見ていようと思う。
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