二話『川の上の修羅場』

6/22
前へ
/22ページ
次へ
『ユミ、僕は君が好きだ。世界で一番君を愛してる』 『タツミさん……私も。愛してます』 『ユミ……っ』 『タツミさん……っ』 抱きしめあった彼ら。お互い見つめあって、笑いを零して、また幸せそうに抱きしめ合う。 痴話喧嘩だったらしい。 一見落着したのだと安堵すると、突然彼らの背後でガサガサと生い茂る雑草が揺れた。 『お待ちになって、タツミさん!』 『君は……っ』 聞こえてきた女の声と同時に姿を現した女性。堂々たる姿は一般的とはかけ離れたものだった。 『あなたは……!』 ユミが目を見開いて苦しそうに反応した。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加