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そして慌ただしく俺が階段を駆け下りて行くとそこにはいつものあいつらの顔があった。
「おはよう諸君、待たせたな」
「これで遅刻したらてめぇの顔面に雪崩が起きるぞ」
この物騒な冗談をかましてる野郎は俺の連れの1人のシオン・メンティア。180センチくらいの身長でガタイもいい、いかついヤンキーの兄ちゃんな見た目だ。
髪型は赤髪をツンツンさせている。顔も俺程ではないがまあかっこいいって事にしといてやろう。
「今日も冗談が冴えてるなシオン」
「ハハハッ、お前シオンが冗談言ってると思ってんのか?」
シオンの後ろからひょこりと姿を現したこいつはルーク・アルン。身長も体格も俺と大差はない。
ただ、髪が銀髪のアシメで俺よりかっこよく決めてるのがすごく気に入らない。顔は俺には一歩及ばないイケメンだな、うん。
「冗談って事にしとかないと俺の身がもたないぜ」
顔面崩壊で入学式なんてカッコ悪すぎてサボっちゃうレベルだ。
「んじゃ行くぞ」
少しだけ早歩きで進み始めた俺達3人。
こいつらとは小さい頃からの付き合いで所謂親友ってやつだ。
だからか、余計に見慣れない制服姿を見ると笑いが込み上げてくる。とくにシオンなんか似合わなさすぎ。
俺は何を着てもパーフェクトに着こなすから問題ないけどな。
そう思いいつもの如くポケットに片手を突っ込むと、俺はある事に気付いた。
「ああああ!」
唐突な俺の綺麗な叫び声に隣を歩いていたシオンとルークがびくりと反応を見せる。
そして一言。
「サイフ宿屋に忘れた……」
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