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「俺が一生守るから」と、中学生ながらに言われたのが最初。
瞬ちゃんは明るくて、人を笑わせる天才で、喧嘩友達のようだけれど、たくさんデートをしたり、愛の言葉を言い合ったり、恋人らしいことをたくさんしてきた。
大学生になった今、大体の初めては瞬ちゃんと済ませた。
だからこれから、残りの初めても瞬ちゃんと経験していくんだと思った。そう、思っていた。
「どうして」
絞り出すような声で聞いた。
酷く掠れて、たった一言なのに喉が痛んだ。
「ずっと考えてた。俺ら、どこかで離れた方がいいって」
「……どうして」
「そうでもしないと、お互いいつまでも前に進めない気がした」
その言葉で、瞬ちゃんが言いたいことは何となくだけれど掴めた。
けれどちゃんと説明が出来ないそれを、理解できる言葉で説明してもらわなければ、簡単に離れるなんて私にはとても難しすぎた。
「どうして」
「…………」
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