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明るくて能天気で、勉強があんまり得意じゃなくて、考えるより先に行動派の瞬ちゃんは、あまりに唐突な発言をよくする。 クリームシチューを作ろうとして、作り方も知らないのに、白いからって牛乳だけ入れて牛乳スープを作ったり、野良猫に自分が食べてたフライドポテトとハンバーガーをあげようとしたり(私が全力で止めた)、そんなようなことは挙げだしたらキリがない。 将来の夢は大統領だとか、高校生の頃まで平気で言っていた。 今でさえ社長になる! とか言っていて、そんな瞬ちゃんが、今、こんなに真剣な顔で先を見据えた話なんかしちゃってる。 本当、おかしい。 「前に進むためっていうか」 思案の末に、瞬ちゃんがまた口を開いた。 「俺が、明日香をこれから幸せに出来る自信がないんだ」 「なにそれ……私が重くなったってこと?」 「違う」 「面倒くさくなった?」 「違うって、明日香」
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