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「そういや千秋、六歳上の彼氏どうなった?」
瞬ちゃんが何気なく聞いた。
千秋ちゃんはもんじゃを食べていた至福の表情から一転、真顔になって、
「……別れた。一週間前」
と、ボソッと呟いた。
「またか、千秋」
孝兄がため息を吐いた。
「違うわよ、今回は。私が振られたの」
「なんて?」
「……好かれてる感じがしないって」
「やっぱり、『また』だろ」
孝兄がより深いため息を、もう一度吐いた。
千秋ちゃんはとても美人。
ショートカットがよく似合って、大人っぽくて、色気もあって、スタイルもいい。
だから、寄ってくる男の人はいっぱいいるのだけれど、いつも長続きしない。
「好きになる努力はしてたのよ、今回は今まで以上に」
「それでも好かれてる気がしないって、何か決定的なことでもあったの?」
瞬ちゃんの質問に、千秋ちゃんは気まずそうな面持ちになった。
どうやら心当たりがあるみたいだ。
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