第二章

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朝のあれはなんだったんだ… 適当に授業の内容をノートに収めながらぼーっと考えていると四時限目の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。 京はノートを鞄にしまい。椅子から立ち上がって一つ背伸びをしたあと、鞄にいれておいたサンドイッチを取り出して昼食にありつこうとしていた。 いつもは自分の机にサンドイッチを食事しながら本を読むのだが肝心の本がない、この時間一人で、何もなしに昼食を取るのはつらい。しかたない、基本誰もこない屋上に行こう。 しかし気がかりなのは朝の出来事、まさか昼休みにもいたりするのだろうか…正直女性と話すのは得意ではない。 いや会話自体しばらくしていないので慣れていないということが正しいのだが。とりあえず一言しっかり謝りたいし、居なければそこで食事を済ませて時間をのんびり潰そうと決め、京は屋上へと足を進めた。 「おいおい、嘘だろ・・・?」 朝のことで少しドキドキしながら屋上に向かった。 いることを期待しているわけではない。ただちょっと、気にしているのはなぜあんな人気のないところに彼女はいたのか、それだけが気がかりだった。 屋上への入口である鉄製の重みのある扉を開け、屋上に出る、屋上を見回す限りそこには誰もいない、まぁそうだろう、これが普段の屋上の光景なのだから。 さあ食事にしよう。フェンスを背に座ってサンドイッチを食べ始めた。毎日のように食べているたまごサンドの味がいつものように口にひろがる、しかしそのままでは口の水分を奪い取ることになってしまう、そこで牛乳を口に含む、口のなかに甘味が広がる、うむこれだ、昼食にはこれに限ると一人満足に浸り外の風景に目をやる、風の音を聞こうとふと目をつむって耳を凝らしてみると風の音が聞こえ・・・ 「ん、なんか聞こえる?」
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