第二章

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たしかに聞こえた、歌声?鼻歌のようなものが聞こえる。 屋上は入口の場所を中心としてそして長方形の形をしている。今京のいる場所は屋上の端に座っている。つまり反対がわは見えないということだ。 「誰か、いるのか…?」 気になって反対側を見ようと立ち上がる。 「~♪」 そこには今朝出会った女の子が花に水を上げていた。 これは、どうするべきなんだろう。たしかに一言、あやまりたいと思っていたがまさか基本立ち入り禁止である屋上でプランターを置きそこで華を育てているとは思いもしなかった。とにかく、謝るべきだと自分に言い聞かせ、鼻歌を歌っている女の子に声をかける。 とりあえず挨拶を・・・ 「こ、こんにちは」 どきどきしながら声をかける。 朝あんなことがあって最初こんなテンプレートな話しかけかたでいいのだろうかと思ったがほかに話しかけ方を知らない京にはこれくらいのコミュニケーション力はなかった。 「あっ、貴方は朝のアメちゃん!」 彼女は振り向き、ちょっと驚いたような、けれどしっかりと言葉を返してくれた。 アメちゃん・・・ 「俺は飴じゃねえよ・・・」 女の子のエメラルド色の瞳の目線がとても眩しく、目をそらしながら京は言う。 振り返った瞬間、これはやばいと思った。 朝はどたばたしていて顔もアマリみれていなかったし、話しかける前の後姿からではわからなかったがこの女の子、めちゃくちゃかわいい・・・ 身長は低めで幼くみえるが目を見ると彼女が確かに同級生のような、年相応な雰囲気を見て取れる。スカートも先生に文句言われない程度の長さでブレザー型の制服もよく似合っている。とにかく、可愛い、その一言に尽きる。
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