1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、んと・・・朝は本当にごめん!まさかここに人がいるとは思わなくて!」
とにかく、これだけは伝えなくてはと心に決めていた謝罪を京は試みる。こんなに可愛い子なんだ、きっと彼氏やだれかがいるだろうし、もうその話を聞いてブチ切れた知り合いなどがきて京をいびりに来られたりしたらどうしようかととても焦った京だったがそれは杞憂に終わった。
「あぁ、大丈夫です!あめちゃんももらったしさすがにあれは故意にはできるとは思いませんから」
彼女は笑いながらそう流してくれた。
ああよかった・・・本当に死んでしまうかと思った。
「そういえば、屋上にはなんでいたんです?」
彼女はそう京に問いかけた。
本を忘れて教室に居たくなかった。などとは答えられない。そう考えた京はひとまず安全な返答を考えた。
「あぁ。それはあれだ、俺時々ここから下を見下ろすのが好きでさ」
テンパりすぎてただの変な趣味の持ち主になってしまった。
「えぇ・・・そ、そうなんですか・・・」
明らかにひいている彼女をみて京はやってしまったとばかりに顔を青ざめた。なにぶん一年近く人とこのような世間話をしていなかった京だ、表情の作り方も忘れてしまい感情が顔に出てしまいやすくなっていた。
「ふふっ、顔がしまったーって言ってますよ」
彼女は手を口元に持っていき笑う口を隠しながら京に言った。
えっマジで?と京は更に弁解のために口を開こうとしたが
「いいんですよ?ムリに言わないでも」
ホッとして京は話題を変えようと口を開く。
「そ、そういえば君はなぜ朝屋上に?」
自分が答えなかったことを聞いてしまうのはよくないのでは?と京は心の中でしまったと思ったがそれも彼女は快く教えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!