第一章

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ファンファンファン パトカーの音が外で聞こえる。この音で少年の目が覚めた。まだ朝の四時だ。 「はぁ、2度寝できる時間はないな。」 布団の中から手をだして隣に充電していたスマホに手を伸ばして時間を確認し。二、三度体をよじらせる。 ひとりの時間はとてもさみしい、冷たい夜を過ごすことになってもう一年もたってしまった。 もう慣れちゃったけど 少年は自嘲気味に一人ポツリとつぶやいた。朝ごはんと、あと学校の制服に着替えてニュースでも見て時間を潰そう。そう早起きをしてしまった少年は朝のスケジュールを頭のなかで組立る。 あくび混じりに布団から這い出す、立ち上がって背伸びをしながらワンルームの部屋の隅っこに置いてある冷蔵庫に入ってる前日に勝ったたまごサンドを2袋取り出す、朝ごはんだ。 冷えきっているサンドイッチを部屋の真ん中に置いているちゃぶ台の上におき、自然な温度になるのを待ちながら制服に着替える。着替え終わったり少し冷たいサンドイッチをかじりつつ中古で買った年季の入ったテレビをボーっと眺める、ニュースで報道される殺人事件の内容を聴きながす。 「えー、なお被害者の遺体はかなり激しく損傷しているため、スキル使いが犯人ということで事件解決の調査は進んでいます。」 スキル使い、その言葉を聴き少年の顔にシワが寄る。 「強い者はどうしてこう歪んでいるんだ。」
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