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フェンスに近づいて、外の景色を眺める。
ここは都内なので都心の方角にそびえ立つビル群が見える、けして綺麗な景色というわけではないが、高いところから見るのは好きじゃない、下から見上げるよりはいいものだ。
そう思いながら吹き付ける風を体で受け止め伸びをする。んん、風が気持ちいい、そのまま上を見ながら空を見上げた。
そのとき
「ふえっなんでここに人が!?」
「な、え?なんでここに?うわぁ!」
突然の女性特有の高めの声、屋上では京は聞こえるハズもないと思っていた人の声に驚きバランスを崩し、思い切り背中をうちつけてしまった。
「っいって…」
「わっごめん大丈夫?びっくりさせちゃった?」
仰向けに倒れた僕を上から見つめてくる女子
しかし下から見たときに見えたのは可愛らしい女性の顔と、強めの風によって姿を現した薄ピンク色のパンツだった。
「…ぴんく」
すこし呆然としていたせいで思ったことが口から出てしまった。
「ピンク?なんの話?あ!」
遅すぎるがスカートを抑えてペタンと女の子座りをしてうつむいてしまった。
京は慌てて謝ろうとして立ち上がった。
「ご、ごめん!まさかここに人来るとは思わなくて・・・いやけど本当ごめん!」
涙目でこちらを睨む女の子を見て京はどうすればいいかわからなくなってきた。
と、とりあえず…身振り手振りしているとブレザーのポケットに丸いものの感触が。それを京は右手に握り少女に突き出した。
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