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男の意味不明な言葉に、自分の置かれている状況を思い出した俺は、驚いた勢いに乗せてガバッと上体を起こす。
あ、ちなみに服は何か、病人服みたいなものを着せられてました。
そのまま横を見やると、緑色のローブを着た男が苦笑いでこちらを見ていた。
やだ…テライケメン…爆発すれば良いのに。
男の切れ長の目には碧眼が宿り、金色に輝く髪は背中まで流れるようなストレートで、耳に少し掛けた髪がセクシーさを演出。
鼻筋の通った整った顔立ちに椅子に座っているとはいえ、直ぐに長身と分かるそのインテリ然とした姿は、正に容姿端麗の見本の様な男だった。
爆発すれば良いのに。
「▼※△☆△☆▲?」
俺が暫く硬直したまま様子を窺っていると、再度、同じ事を言った感じのイケメン。
俺に微笑み掛けているのは、敵意が無い事を表しているんだろうか?
さて…どうしたもんか。
何言ってるか、さっぱり分からん。
取り敢えず返事を返さないと失礼か?
「イケメンさん、爆発しろ」
迷った末に出た言葉は、返事をした方が逆に失礼極まる録でもないものだったが、やはり言葉は通じないようで、俺の言葉を聞いてキョトンとするイケメン。
いや、もしかしたら意味が通じてキョトンとした可能性も、微妙なレベルで存在するけど。
「クラウス…」
片方の掌を自らの胸に当てがうイケメンが、単語らしい言葉は何度か言う。
…名前か?
キズキ ユウヤ
「城…城 優也 」
イケメンことクラウスさんに倣って、俺も自分の胸に手を当てて名乗る。
「ユウヤ」
あ、そっちで呼んじゃいます?
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