おいでませ異世界。

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吹き抜けとなったロビーの二階からは、下がよく見える。 まず俺の目に付いたのは、無茶すれば大型バスも通れそうな、アーチ状の扉が取り付けられた大きな入り口。 このロビーの収容人数を考えると、これぐらいデカくないとダメなのかね? その巨大な扉から真っ直ぐ進んで十数メートル先に視線を向けると、びっしりと紙が貼り付けられた巨大な掲示板が二つ、入り口に対して縦に向くよう向かい合わせで設置されており、掲示板を通り越し更に奥へ進むと、入り口から来る人を迎えるように長い長い正面カウンター。 正面以外に左右にもカウンターがあるようで、カウンターから横に進むと二階へと繋がる幅広い階段。 視線で階段を上がると、一階の入り口正面カウンターに覆い被さる形で踊り場が形成されており、左右壁際には俺が出てきた通路と向かいの扉へと続く道がある。 そのまま天上に目を移すと豪奢では無いものの、幾つものランプを纏めた巨大な照明器具が吊るされていた。 んー、ここギルドじゃね? 確証は無いものの、掲示板やそこに貼り付けられた紙、カウンターを見て何となくそう思う。そしてそれは一階の人混みを見て確信する事になる。 ロビーには仲間と固まって会話する者、カウンターで受付と会話する者、掲示板を眺める者等、軽鎧やローブに剣や斧、杖等で武装した者達が思い思いに行動しているのが観察出来た。 はっはっはっ、見ろ!!人がゴミのようだ!! 一度は言ってみたい台詞だが、少し高さが足りない。残念。 そして間違いない… ここは… 冒険者ギルドだ!! 日本に居た時の経験と記憶、知識をフル回転させて出た結論に間違いは無い。 タブン。
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