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「おおおおおおっ…」
何より俺の目についたのは、広場に集まる人…いや、人間に混じって、リアルな動物の着ぐるみを着たような半獣半人の方たち。
よくよく観察してみると、まんま熊に服着せましたみたいな、ほぼ動物な人も居れば、申し訳程度に耳と尻尾だけが動物で、後は人間と変わらないような人まで結構ムラがある。
うおおおおおおおおっ!!あれはケモ娘!?ケモ娘ですよ!!ケモ娘!!
やっべ!!マジこれやっべ!!ガチでファンタジーですやん!!
日本では映画、もしくは二次元等でしか観られない様な光景が眼前に広がり、改めて俺はファンタジーな異世界へ来たのだなと実感した。
そんな感じで我を忘れて色々観察していた俺だった訳だが、観察している間も何も言わず待っていてくれたクラウスさん。
「あっ…すみません…」
我に返って、クラウスさんを待たせてしまった事に気付いた俺は、申し訳なさそうに謝る。言葉は通じなくとも意味は通じるはずだ。
クラウスさんは、にっこり笑って一言だけ何かを言ったあと、少し先に進んで俺を招く様なジェスチャーをする。まぁ、付いて来いって事だろう。
ほんといい人だな、クラウスさん。
正直、知らない土地、異なる文化、解らない言語、読めない文字、分からない事だらけで実は少し不安になっている俺にとって、現状クラウスさんだけが頼りだ。
あとは俺に絡んできたヒャッハー長とクラウスさんの関係…というか、俺が気絶した後の経緯も気になる訳だが、如何せん言葉が通じない。
実はヒャッハー長は冒険者で俺は救助されたとか?
いやいや、無いわ。
それは生理的に受け付けない。
もし万が一そうなら、俺の冒険者像を改める必要がある。
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