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ウッキウキで部屋を出たら目の前にクラウスさんが居て、こう俺を上から下まで見たあとにグッとサムズアップしてきた。
倣って俺もサムズアップし返した後、数秒の間を開けてクラウスさんと固い握手を交わす。
クラウスさんとは気が合いそうだなー。
話してみたいなぁ…
そんな事を思いつつ、突き当たりがL字に曲がった廊下の角にある階段から、一階に降りる俺とクラウスさん。
「おぉ…」
二階の廊下では人を見掛けなかったが、一階に降りると、チラホラと廊下を歩いている人が。ちなみに武装はしてない。
歩いている人の中には、やっぱりケモケモな方々も居て、気になるのだが…
チラッ…
チラッ…
あまり見るのも失礼だろうと思いつつ、やはり気になってチラチラ見てしまう。
というか…
むしろ俺の方が見られてね?
男女問わず、さっきからすれ違う度に、少し驚いた感じで二度見されるんですけど…
心当たりの無い俺は怪訝に思いつつも、言葉が通じないから尋ねる事も出来ず、仕方なく黙々とクラウスさんの後に付いて行く。
やっぱり言葉が通じないって不便…
暫くして、丁度ロビーの裏手に当たる所にある、横に広い扉を通り抜けて、建物の外に出た所で立ち止まるクラウスさん。ちなみに扉は開けっ放しだった。
状況を把握しようと辺りを見渡すと、建物の裏手はそれなりに広い石造りの通路になっており、レンガ造りの西洋風な建物が向かいに見える。
そして、この建物の入り口前には、何かの荷物を積んだ、屋根の無い馬車が四台程並んでいた。
目の前の一番先頭の馬車からは、何人かによって積み荷が降ろされている最中らしく、降ろされた荷物の前では、一人の人物が手に持った紙に何かを記入している。
そうこうしている内に、再び歩き出したクラウスさんは、その何かを記入している人物に声を掛けた。
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