剣と魔法と中二病1

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いい加減、話が進まないのでジョンを言い聞かせて話を進める。 クラウスさんによると、まだ魔王の残党が蔓延(はびこ)っていた時代、当時は残党を掃討する為、徴兵制だった魔法学園に魔力無しの落ちこぼれが居たそうだ。 周りからは馬鹿にされていたが心優しい彼は特に気にする様子もなく、彼の人柄に惹かれた仲間と一緒に勉学に励んでいたとか。 そんな落ちこぼれだった彼は、ある時グループに分かれての課外授業中、襲ってきた魔物に仲間を殺されたらしい。 もっとも、珍しい事件ではあったらしいのだが、当時スパルタだった学園では死者も出る時は出たらしい。 それでまぁ、仲間を殺された事で心優しかった彼の怒りが限界を越え、落ちこぼれがだった彼に異変は起きた。 元々黒い瞳に黒髪だった彼は、瞳は碧眼に、そして髪は金色(こんじき)に輝く金髪へ変化し、体からは半透明な金色のオーラが噴き出していたとか。 その瞬間の彼の戦闘力は某フリーザー様もビックリな一億五千万超え。 ……途中から俺の妄想が入った。 ホントはなんか潜在能力が覚醒して、体から溢れ出す程の魔力を手に入れたらしいです、はい。 「……ですのでユウヤも、もしかしたらそういった体質なのかもしれません。」 そう言って語り終えるクラウスさん。 なるほど。 「よし、ジョン。実験しようか」 そんな話を聞いた俺はジョンの肩を掴み、爽やかな笑顔でサムズアップしてみせる。 「そんな悪魔みたいな笑顔のユウヤは、優しくないから無理だと思う」 何だが真顔でそんな事を言うジョン君。 こんな爽やか笑顔を前に、悪魔みたいとは失礼な。 にしても友を殺された怒り……ね。 そんな怒りは御免被るわ。 はぁ~~~…… マジかぁ………… 異世界なのに魔法使えないとか無いわー……
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