330人が本棚に入れています
本棚に追加
ぽわわわわ~ん
回想終了。
そんな訳で俺は今現在も魔法が使えない。
……無いわ。
俺のイオナズン返せし。
まぁ、愚痴っても仕方ないので話を進めよう。
あれから先方に失礼の無いようにと釘を刺されたものの、一応は問題ないとクラウスさんに許可を得た。
失礼の無いようにって、もう手遅れ感半端無いが、取り敢えず元気よくクラウスさんに返事しときました、まる。
あー……
そんな訳で、今は俺がクラウスさんに許可を得た次の日の夕方だ。
「どうもー、イオナズンです」
仕事も終わり、オッサンから剣術を習うため傭兵ギルドにやって来た俺は、某全体魔法を唱えつつ、扉を開けてギルドの中に入る。
「またお前は訳の分からん事を……」
やれやれといった感じで返すのは、ギョロっとした目と登頂部が寂しい事になっているマッチョなオッサンだ。
そして、ここ傭兵ギルドのギルドマスターでもある。
「イオナズン知りませんか?魔法ですよ」
「ほう?聞いたことねぇな?」
少し興味が出たらしいオッサン。
しかしこれ失敗ですわ。
普通ならここで、魔法?何言ってんのコイツ?ってなるところ。
そんでイオナズンについて懇切丁寧に説明してあげて、最後に相手からもう帰れよって言われるまでがテンプレ。
でも、この世界だと普通に魔法が存在してましたわ。
「まぁ、嘘ですから」
「……何となくそう思ってたわい……」
最初のコメントを投稿しよう!