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「●○▼※△☆▲…」
ヒャッハー長が何かを呟き、感触を確かめるように俺の髪の毛を触る。汚い手で触らないでもらえます?
「ヒャッハー!?ヒャッハー!!」
「●○▼●○▼※△☆△☆▲!?」
「▼※△☆●○▼※△☆▲!!」
ヒャッハー長の呟きを聞いたらしいモブヒャッハーAが俺を見ながら騒ぎだすと、他の連中も俺の髪を見て騒ぎだした。
だからヒャッハーってどういう意味なんだよ。
俄に色めき立つヒャッハー達。
明らかに先程までとは空気がガラッと変わったのが分かる。
お、いよいよピンチかな?
じゃあ、そろそろ本命のヒロインさんとか、イケメン貴族のご登場ですかね?
何たって俺は選ばれし者だからね!!
冒頭ピンチで誰かに助けられるって異世界モノでも定番だしって、ちょっおま止め、ぐっ、があああああああああっああ!!
「ああああああ"あ"あ"あ"あ"っ!!」
「●○△☆▲…」
不意にヒャッハー長から頭を鷲掴みにされた俺は、頭から持ち上げられ、足が地面から離れる。
ただ持ち上げられただけなのだが、元々痛みで身動きが取れなかった俺の体は、急激に動かされた事で筆舌に尽くし難い激痛が襲い、本能的に悲鳴を上げる。
「●○▼※△☆▲…」
あああっ!?何言ってるか分かんねーよハゲ!!さっさと離しやがれ!!
「がっ…ぁあ…ぅ…」
クソがああああああっ!!痛みで声にならねぇ!!
「※△☆▲…」
何かを呟きながら、悶絶している俺の顔に、空いているもう片方の手を近付けるヒャッハー長。
うおおおおおおっ!?
手が黒く光ってやがる!?
眼前にあるヒャッハー長の手首には、黒い筒状の輪の様なものが腕を通す形で回っており、輪の表面には何やら文字っぽいものが見えた。
「【意識を刈り取るは漆黒の闇】」
中二かよ。
意味は解るが【日本語では無い】ヒャッハー長の中二病くさい言葉に、そんな感想が出た次の瞬間 、俺の意識はブツリと途切れた。
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