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俺の数メートル先には甲冑や軽鎧、ローブ等を着た7人の男女が杖や剣、各々の武器を構えている。
顔は…よく見えないが、なんだか軒並み満身創痍といった感じだ。
しかし…どこだここ…
周りの景色は…靄が掛かったように、よく見えない。
まったく状況が分からん。
どうしてこうなった?
「おのれぇぇぇ勇者ぁぁぁ…」
ファッ!?
俺の間近でめっちゃ低音の声が響く。
「終わりだな、魔王…」
そう言って俺に近付いてきたのは、一人の男。顔は…やはり靄が掛かったように見えない。
あ、これ夢っすわ。
「くくく…勇者よ…今は勝ち誇るが良い…だが、我は必ずや甦る…」
テンプレ的な台詞ゴチでーす。
「………」
勇者と呼ばれた男は無言で剣を振り上げる。俺の目の前で。
…いや、夢でも斬られるのは御免なんですけど…
そんな願いも虚しく、俺目掛けて剣を降り下ろす勇者。
ああああっ視界がゴロンゴロンするううううううっ。
「勇者…終わったな」
「いや、まだだ…魔王が復活しないよう、存在そのものを滅しよう」
「どうやって?」
「考えがある」
そこで夢は終った。
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