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ふとクロウは窓から月を見て、その時間がずいぶん晩い事に気付くと、パタンと読んでいた本を閉じた。
「アリス、そろそろ寝ないと……。」
「こく」
頷くと、アリスは黒いジャケットを脱いで椅子にかけ、さらに着ていたワンピースすら脱いでさっとベッドの中に入ってしまった。
「なんとまぁ、手早い事で。」
余りに完璧な速さだったので、クロウは苦笑しながら自分も黒いコートを脱ぎ、ベッドに入った。
「ふぅ……。」
大きく息を吸って、吐く……寝る前の深呼吸はクロウの日課だった。
これをすれば、完璧に落ち着いて寝れ……
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