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その瞬間だった。
突然聞こえてきた〝ガラスの割れる音〟に、クロウは跳ね起きた。
いや、割れる音だけではない。
「闇の魔力の気配……この感じ、かなりの力を持つ魔王か。」
薄々感づいていた気配だったが、まさか夜襲で来るとは思っても見なかった。
「アリス!」
「……。」
クロウが叫んだ時には、すでにさっき脱いだワンピースも、黒いジャケットも羽織っていた。
「……お早い事で。」
苦笑しながら、自分も黒いコートを着て……酒場では置いて出た、黒い革表紙の厚い本を持って部屋を出た。
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