闇夜は月明かりに照らされて

5/9
前へ
/75ページ
次へ
「見つけた……アヤネ。」 クロウを見るなり、突然の乱入者はそう言った。 黒く長い髪を踊らせ、赤いワンピースドレスに黒いジャケットの、妖艶な女性だった。 絶世の美女……人間なら誰しもが皆そう言うに違いない。 「あなたは……。」 クロウは彼女を見ると、はっ、としながらも本を右手に持つ。 クロウは彼女を知っていた……彼女とは昔、同じ「院」にいた事があった。 院とは、いわゆる魔王の学校のような物で、数百年はそこで常識や人格性の授業を受ける事になっている。 「お久しぶりです……カルマ・ミリオン。」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

758人が本棚に入れています
本棚に追加