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獣じみた両腕。
伸びた犬歯。
目は血走り。
背中にコウモリを思わせる二対の翼。
「間違いない……この娘……。」
暴走……だった。
吸血鬼は元々高い魔力を秘めた種族である、そのためその膨大な魔力を抑えるために、血液を媒体として消費する。
だから体が血液で満たされていないと、自身の魔力を抑えられずにこうして暴走してしまうのだ。
だが……。
「おかしい……さっきまでそんな余兆はなかったのに……まさか。」
カルマの考えは正しかった。
アリスは自らの意志で魔力を暴走させたに違いなかった。
だがその末路は……。
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