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「くっっ!!」
その日は運が悪かった。
相手の魔王だ……鮮烈な剣さばき、卓越した魔術、見事なまでの召喚術……どれをとってもカルマの敵う相手ではなかった。
なにより驚いたのは、教科書でしか見た事のない最強の魔典「魔界召喚陣」を操っていた事だった。
「あっ!」
カルマの剣が宙に弾かれる……咄嗟に右手に翠の焔を発動させるも、それを放つ前に右腕が斬り落とされる。
「っっ………。」
バカだった、思わず目をつむり、死を覚悟したのだ……魔王としては失格も同然、死すべき……そう自分で思うほど。
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