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思えば魔王の〝生〟などこんな物か……強くなければ生き残れないこの弱肉強食の中、自分はただ強い相手にぶつかってしまっただけ……。
自分より強い者など……そう考えていたのが、甘かったのだ。
「…………?」
いくら待っても刃は来なかった……カルマが目を開くと、そこにはただ立つ一人の男がいた。
黒い髪に鋭い目の男……油断していると思わず見惚れてしまうような端正な顔立ちだ。
「っ……は、早く斬りなさいよ。」
本当はすぐにでもぶざまに逃げ出したかったが、それはカルマの魔王としてのプライドが許さなかった。
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