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「あ、わきちゃんじゃん。おひさ~!」
副さんはすぐに俺より突然表れた和希ちゃんに興味を移した
和希ちゃんの横にはにこにこと微笑む空蝉くん
ほんと和希ちゃんの横だと別人だよなこの人
「あ、和希様だぁ!」
「綺麗過ぎ~!」
「空蝉様も美しすぎる!」
そしてこの恒例の喚声である
確かにこの二人人間じゃないくらい整ってるからわからないことはないが相手は男だぞ
そんなことを気にもとめない二人は、驚いている委員長の側にきて、
「昴が呼んでるから来てよ」
と和希ちゃんが言った
そしてその委員長の手をとって和希ちゃんが引っ張って出て行った
それに大人しく引っ張って行かれる委員長の後ろをチラッとみた空蝉くんは
「お騒がせいたしました」
と一礼して、後を追った
そのあと、黙って成り行きを見ていた副さんは
「え、まってまって。俺も行かなきゃいけないパターンじゃん!ちょ、うつせみくーんっ!」
と言って走っていった
「わざわざ和希ちゃんを遣いに寄越すって...。どんな用事なんだろ?」
「さぁねぇ。でも、なんか大事起こす前なんじゃない?」
あはは、と笑う藤の冗談でもない発言を聞き流すほどに、俺には余裕がなかった
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