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「西森和花さん、俺は本当に君のことが好きでした。これからはよき友達として……よろしく」
私が驚いて戸惑っていると、ケンちゃんは優しく、でも目は真剣に私を見て言った。
「このまま和花ちゃんと気まずくなってさよならなんてしたくない。パートナーとしてではないけど、これからも和花ちゃんと繋がっていたい。和花ちゃんが嫌じゃなければだけど……」
ケンちゃんは少し自信なさげに笑った。
「私と、これからも友達でいてくれるの?」
「もちろん!」
ケンちゃんははっきりと答えてくれた。
私はケンちゃんに責められても仕方ないと思っていた。それなのに彼は縁を切るどころかこれからも友達でいてくれるという。
ケンちゃんの優しさに私は最後まで助けらてしまった。
その優しさに、胸に熱いものが込み上げて、また泣きそうになった。
「……ケンちゃん、ありがとう。こちらこそこれからもよろしくお願いします」
涙を堪えて微笑むと、私はゆっくりケンちゃんの手を握った。
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