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ケンちゃんが至近距離でほほえんでいる。
「……み、見てあのお魚！ 光っているみたい」
水槽の中を泳ぐ魚を指差しながら、会話を続ける。
「俺がきれいって言ったのは、和花ちゃんのことだけどね」
「え？」
びっくりして思わずケンちゃんを見た。
さっきと変わらない優しいほほえみと、まっすぐ見つめてくる瞳から本気で言っているのが伝わってきた。照れくさくて、パッと視線をそらす。
「……あ、りがとう」
俯いてお礼を言ったあと、なんとか顔を上げて笑顔を返した。
「和花ちゃんに喜んで貰えて良かった」
ケンちゃんは照れたり恥ずかしがるようすもなく、さらに「和花ちゃんの反応かわいい！」と嬉しそうに言った。
さらっと「きれい」とか「かわいい」って言えちゃうケンちゃんって、凄いなあ……。
仕事場の男性従業員や、お客さんからあいさつ代わりの軽いノリで、かわいいって言われたことは今までにもあるけれど、こんなシチュエーションでストレートに言われたことなかった。
ちょっと、ドキドキしちゃった……。
恥ずかしいけれど、褒められて嬉しかった。
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