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「へぇ! じゃあこの夏みんなでまた行けたら楽しいんじゃない? 行こうよ! 俺、和花ちゃんの水着姿、見たいっ!」  顔の前で拝むように手を合わせ、懇願するように真剣な眼差しでケンちゃんは言った。 「う、うん。行けたらいいね。美樹達にも伝えておくね。あ、あっちの水槽はなんだろ? 行ってみようよ!」  私は逃げるように小走りで次の水槽へと観に行った。 「和花ちゃん、マジで行こうよ! 夏のあいだに必ず一度は海へ!」  すぐに追いついたケンちゃんは引かなかった。  約束するまで話題を変えるつもりがないらしく、私はしかたなく、わかったと答えていた。  そのあとは二階、そして屋外の三階へと移動した。外に出てみると雨は止んでいた。ただ、地面は水たまりがいくつもあり、まだ湿っている。  空を見上げると、黒い雲の塊が頭上に一部、居座っていた。  傘は使わずに、そのまま色んな魚やアシカ、ペンギンを観て回った。 「和花ちゃん疲れたでしょ。俺は平気だけど、ソフトクリーム食べて休憩しようか!」  水族館を隅々まで観て回って、確かに少し疲れていた。 「ありがとう。うん。休憩したいかも」  もし、ケンちゃんが休憩しようと言ってくれなかったら、私は無理してケンちゃんに合わせていた。だから、気づいて言ってくれて内心ほっとした。 「そこのベンチで待ってて! ソフトクリーム買ってくるから」  私は屋根があるところに設けられた濡れていないベンチに座ることができて、そこでケンちゃんが帰ってくるのを待った。
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