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「はい、お待たせ。喉も渇いているでしょ? ペットボトルだけど、お茶も買ってきた」
「ありがとう。ケンちゃんって、本当優しいよね」
素直にそう思ってソフトクリームを受け取りながらにこりと笑って話しかけた。
「俺? 優しくないよ」
肯定するかと思ったら、意外な答えが返ってきた。
「普段はね、誰にでも優しいってわけじゃないよ。和花ちゃんだけ特別!……俺のこと、意識して貰いたいから」
「意識……?」
聞き返すとケンちゃんはいきなりストロベリーのソフトクリームをパクパクと大きな口で頬張りはじめた。
……あれ? 照れているのかな?
ケンちゃんはもくもくとソフトクリームを食べている。
明るいし、リードしてくれるし、年上の男の人だけどかわいいな。と、クスっと小さく笑うと、ケンちゃんは食べるのをやめて私を見た。
「俺に見惚れてないでさ、和花ちゃんも食べなよ。美味しいよ?」
「はい。いただきまーす」
私も白いバニラのソフトクリームをぺろっと舐めた。ミルクの濃厚な味が口に広がる。
「うっわぁ! 和花ちゃん、食べ方、かわいいなぁ~。そんなちょっとずつ食べてたらソフトクリーム溶けちゃうよ?」
「ケンちゃんの一口が大きいんだよ。ほら、顎にソフトクリームがついてる」
「え? まじで?!」
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