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翌日、空は清々しいくらい晴れ渡っていた。
何カ月も前から楽しみにしていた奈桜子さんの結婚式が、もうすぐ始まる。
人前式と披露宴は夕方からで、私は午前中に美容院に行って髪をセットしてもらい、式の一時間前には会場の待合ロビーに到着した。
「和花、リハの前にみんな集まれたよ」
今朝私は、朝一番に瀬名さんに連絡を入れた。
今日の余興フラッシュモブについて案がまとまったから、みんなに言いたいと。
リハの為に早めに集まったみんなの前に立ち、私はごくりと唾を飲み込んだ。
「こないだの最後の練習をした時、失敗しないために止めた演出があったでしょ?」
「私が踊りながらみんなの所を回るってやつね」
私は由香さんの言葉に頷く。
由香さんの手はもう完治したらしく、包帯はすっかり取れていた。
「私に、一個案があります。それを聞いてもらってもいいですか?」
一対一でも意見を言うのにすごく緊張する。さらに大勢の前でとなると、とても勇気が必要だった。
足が小さく震える。
ドキドキしながら瀬名さん、由香さんそして、みんなを見た。
「もちろん聞くよ。案ってなに?」
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