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「そう。暗闇で光が当たれば、無意識にそっちを見ちゃうでしょ。その光によって、みんなの踊りもちゃんと注目して見てもらえる」 「……照明が当たった時だけ踊りながら移動するのね。そしたら二つに分かれてる分、移動距離は短く済んで余裕もできる。ていうこと?!」 「うん。そういうことです」  私は頷いた。 「……いいね。それでいいんじゃない? ね、みんな!」  由香さんは瀬名さんとみんなの顔を見て聞いた。 「最初の演出をやめたせいで、急に踊りだすのってやっぱり緊張するね。って話してたの。それ上手くいったらスムーズな進行になりそうだし、いいと思う」  みんなの反応は良くて、私はほっと胸をなでおろした。 「それ、照明の人が結構変更になるな」 「あ、うん……」  瀬名さんの真剣な表情を見て、不安がよぎった。  今から変更とかやっぱり厳しいかな……?   自分の意見を言うことで何かしら段取りが狂い支障が出る。いろんな人に大きな労力と迷惑がかかる。  それが私はいつも嫌で、意見を言えないでいた。 「ごめん。やっぱり無理かな……?」  ドキドキしながら聞いた。
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