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「いや、いいと思う。俺も、どうせならより良いものにしたいし」
「じゃあ……」
「和花、いいアイデアありがとう。その案、採用。今すぐ細かい打ち合わせをしよう」
瀬名さんに認められた瞬間、目の前がパッと開けたみたいに、景色が明るく眩しくなった。
……やった。
初めてみんなの前で自分の意見主張できた。しかも、採用!
いいアイデアって!
嬉しさで胸に込み上げるものがあった。
じんっと熱いもので心が満たされて、思わず笑みをこぼしていた。
「リハの直前でちょうどよかった。実際にやってみよう。ただ……誰がもう一人やる?」
皆がそれぞれお互いの顔を見合う。
「誰か、やりたい人いる?」
瀬名さんがみんなを見渡しながら聞いた。だけどみんなお互いの顔を見るだけで名乗り出る人はいない。
「私がやります。私が言い出したことだから」
小さく挙手をして言った。
すると、瀬名さんがパッと私を見た。
「和花、やれる……?」
「うん。やりたい人がいなかったら自分でやろうと思ってたの。だから大丈夫。イメージは頭にある」
「いいんじゃない? 私と和花ちゃんと二人でやりましょ!」
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