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 木々だけじゃなく、腰ほどの植え込みにまで電飾は飾ってあって、ピカピカと光っていた。  広場は公園のようにベンチや噴水などもあって、水の中にまで光の演出がされていた。 「見て、全部が全部光輝かせてるわけじゃないの。ちゃんと暗闇も残してる。すごく素敵…この細かいところまでの配慮、拘りを感じる!」  細かいところまで趣向を凝らし、見るものを飽きさせない工夫がされていて、訪れた人に楽しんでもらおうとする最大限のおもてなしを私は感じた。  私と怜司はその光り輝く道をゆっくりと進んで行く。  終始興奮した状態で私は、今だけのイルミネーションを心から楽しんだ。 「うわあ。すごい、綺麗っ! 大きい!!」  開けた広場に出るとまず最初に目に飛び込んできたのは、この公園のメイン、白くて巨大なクリスマスツリーだった。  そして、ツリーの背後にはこの駅と広場のシンボル、ツリーより大きい巨大柱時計が悠然と見えた。  白いクリスマスツリーには、LEDによってまるで雪が降り積もっていくように、上から下へ光の滴が落ちていく演出がされていた。
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