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もう一度広場を見ると、今度はその光景に気が付いた若い男の人が、物珍しそうにスマホを取り出し、写真を撮ろうと構えた。すると、またその男の人までがその姿勢のまま動かなくなった。
「怜司、これどういうこと?」
日常と違う目の前のおかしな光景に、私は興奮と少しの不安を感じ、怜司の腕にしがみ付く。
七時を知らせる鐘が鳴り終わる。
すると、どこからともなく聞き覚えのある曲のイントロが流れ始めた。
「この曲は……“What Makes You Beautiful”!」
気が付いた次の瞬間、
最初に動かなくなったサラリーマンが曲に合わせて踊りだした。
「これ、……フラッシュモブ!?」
わかった瞬間私は興奮して、怜司に話しかけた。
次に女性二人組も踊りだして、華麗にステップを踏む。
「うわあ、上手! あ、また踊り始めた!」
さらに写真を撮ろうと固まっていた男の人までも踊りだした。
私たち以外にもフラッシュモブだと気が付いた人が足を止め、観客がどんどん増えていく。
メロディーに合わせて人が増えて、踊りも大胆になっていく。
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