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 胸がいっぱいで呼吸がうまくできない。ポロポロと溢れる涙を必死に拭う。 「俺はこの日を、和花の誕生日をこれからもずっと祝いたい。お互いがじいちゃん、ばあちゃんになっても変わらず、ずっとそばで」  怜司の言葉が私の胸をさらにいっぱいにしていく。  私は怜司を、はらはらとこぼれ落ちる涙そのままにして見上げ、見つめた。 「西森和花さん。俺と結婚してください。一緒に幸せな家庭を作ろう」  怜司は踊るときも手に持っていた花束を私に差し出し、優しく微笑んだ。 『サプライズでフラッシュモブなんて、俺には無理』って怜司、言ってたのに……!  しかも規模も大きくたくさんの観客、最高の主演者に演出で、最高のサプライズを私のために……。  私は怜司の後ろで微笑み私たちを見守る、美樹や雅、菜桜子さん、そして……リヅを抱っこしたままのケンちゃんを見た。  怜司がどれだけの気持ちを込めてくれたのが伝わってきて、嬉しさのあまり私は、今この瞬間が人生で一番幸せな瞬間なんじゃないかなと本気で思った。  うまく呼吸ができず言葉は、簡単には出てこない。  代わりに涙ばかりが頬を伝っていく。
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