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「……こんなにも嬉しくて、幸せなことってない……」
気持ちを、絞り出して伝える。
周りが静まり返る中、私は怜司を見つめながらも一歩、近づいた。
「……私も、幸せを一緒につかむなら怜司がいい。怜司以外考えられない」
胸がドキドキしていた。
さらに一歩近づき、怜司を見ながら花束に触れる。
「瀬名怜司さん、私と結婚してください。幸せな家庭を一緒に作ろうね」
花を受け取ると同時に怜氏に飛びつくように抱き付いた。
その瞬間、盛大な拍手とわあっと祝福の声が上がった。
「和花おめでとう!」
「よかった。本当によかった!」
美樹と雅の声が私の耳に届く。さらに私の胸は熱くなった。
怜司、そしてみんな。
本当にありがとう……。
幸せを逃さないように、嬉しさを現すように私は、怜司をぎゅっと抱きしめた。
「瀬名さん、和花ちゃん、お幸せに!」
ケンちゃんのひときわ大きい声がした直後、
『What Makes You Beautiful』のイントロが流れ始めて、驚いて顔をあげた。
「和花、一緒に踊ろう」
「わっ」
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