** prologue **

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 物知り屋で勘がいい雅は納得顔だった。 「えー……? どういうこと?」  二人を交互に見つめる。 「あのね、和花。指輪のチャームは花嫁のブーケと一緒の意味なの。次に結婚するとか、幸せになれるとか」 「幸せに?」  私は自分の手のひらのチャームをもう一度、じっくりと見つめた。  素材はシルバーで、部屋の照明でキラキラと輝いている。大きな宝石部分はダイアモンドカットが施されたデザインで、とても可愛い。  いつまでもうっとり眺めていられる。  ……このチャームなら、恋を成就させる魔法のような力があってもおかしくないかも。  私はぎゅっと包み込むように両手で指輪のチャームを握りしめた。 「美樹、ありがとう。大切にするね」  笑顔でお礼を言うと、彼女も目を細めた。 「さっ、飲も飲も! 乾杯しよっ」 「乾杯はいいけど、もうそれ以上飲まない方が……」  笑顔で酎ハイを持つ美樹を見て、雅は呆れた声で言った。 「まあ、いっか。美樹の誕生日祝い、脱、独身への第一歩だし!」  でも、結局雅も笑ってお酒のグラスを持ち上げる。 「和花もお酒持って! いくよ?! これからも恋愛成就に猛進! かんぱぁーい!!」  美樹は朗らかに大きな声で言うと、酎ハイの缶を呷って飲んだ。
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