1074人が本棚に入れています
本棚に追加
物知り屋で勘がいい雅は納得顔だった。
「えー……? どういうこと?」
二人を交互に見つめる。
「あのね、和花。指輪のチャームは花嫁のブーケと一緒の意味なの。次に結婚するとか、幸せになれるとか」
「幸せに?」
私は自分の手のひらのチャームをもう一度、じっくりと見つめた。
素材はシルバーで、部屋の照明でキラキラと輝いている。大きな宝石部分はダイアモンドカットが施されたデザインで、とても可愛い。
いつまでもうっとり眺めていられる。
……このチャームなら、恋を成就させる魔法のような力があってもおかしくないかも。
私はぎゅっと包み込むように両手で指輪のチャームを握りしめた。
「美樹、ありがとう。大切にするね」
笑顔でお礼を言うと、彼女も目を細めた。
「さっ、飲も飲も! 乾杯しよっ」
「乾杯はいいけど、もうそれ以上飲まない方が……」
笑顔で酎ハイを持つ美樹を見て、雅は呆れた声で言った。
「まあ、いっか。美樹の誕生日祝い、脱、独身への第一歩だし!」
でも、結局雅も笑ってお酒のグラスを持ち上げる。
「和花もお酒持って! いくよ?! これからも恋愛成就に猛進! かんぱぁーい!!」
美樹は朗らかに大きな声で言うと、酎ハイの缶を呷って飲んだ。
最初のコメントを投稿しよう!