** 1 **

2/17

1073人が本棚に入れています
本棚に追加
/331ページ
*1*  私より三つ上、二十七歳のケンちゃん(窪内健人)は、とても良い人だと思う。 (出会った時、少し強引で、怖かったです)22:14ケン (ごめん。俺、お酒が入るとどうしても、調子に乗っちゃう系なんだ。ホント、ごめん!!) 22:14 最近、ケンちゃんとラインをするようになった。 彼とは約一月前、美樹が幹事として開いてくれた合コンで知り合った。 ケンちゃんは私より三つ上の二十七歳。とてもマメで、ラインか電話は、ほぼ毎日している。 普段はスタンプやお疲れーみたいな、取り留めのない内容ばかり。なのに、今夜はまだテニスのラリーのように、メッセージのやり取りが続いていた。 (明日はお酒飲まないから大丈夫だよ。デート、楽しませてあげるからね)22:16 「ふふ…」 ケンちゃんの明るい性格が文面から滲み出ていて、思わず声をこぼしてほほえんだ。 デートの誘いは、これまでにも何度かあった。 けれど、まだ知り合って日が浅いし彼のことをよく知らない私は、仕事で都合が合わないのを理由に返事を先延ばしにしていた。 それでもケンちゃんは根気よく誘い続けてくれた。  出会った時からずっと変わらず、まっすぐ伝えてくれる好意に悪い気はしないし、いつしか私の方も少しずつ気を許すようになった。 ずっと断り続けるのも悪いし、純粋にケンちゃんとデートしてみたかった。
/331ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1073人が本棚に入れています
本棚に追加