漆黒の封筒

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「─どうだ!見たか?これが俺の実力だっ!」 「くそー、参った」 残念そうに項垂れる俊明。 「やったじゃん!成哉!」 その隣で自分のことのように喜んでくれている守。 俺はふふんと、鼻を高くする。 頭の中では俊明に奢ってもらうものを考えていた。 ハンバーガーか?いや、ハンバーガーは昨日も食べたしな。 アイス?…デザートって気分でもねーしな。思い切って牛丼とか!? 「俊明には何を奢ってもらっおかな~?」 ワクワクしながら考えている俺を、俊明は何故か不思議そうな顔で見てくる。 …何だよ、その顔?そう言う約束しただろ? 俊明は口を開いた。 「──だって成哉。ここにいないじゃん」
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