漆黒の封筒

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目を覚ました女の子は、ボーッとしていた。 俺と同じようにクラクラしているのか、頭を押さえている。 様子を伺いながら、女の子に話し掛けてみた。 「大丈、夫…か?」 小さい声は届いたみたいで、女の子はこちらを見た。 「大丈夫です…」 声も可愛い……。思わずまた見とれてしまう。 「あの…」 女の子がきょとんと俺を見る。 またそこで我に返り、顔を逸らした。 「無事で…よかった、です…」 …俺は何を言ってるんだか。 「あの…。ここは何処ですか?」 「いや、俺も分からなくて…。目が覚めたらここに…」 「そう、ですか」 言った声が沈んだのが分かった。 女の子を見ていると平常ではいられなくなってくるので、敢えてまた顔を正面に向ける。 …俺達がいる部屋は広いとは言えない。 左の方にひとつだけ扉はあるが、窓はひとつもなかった。 そんな部屋に何故かいる、10人。
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